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2022.4.15 すごいコーラの話。

私の人生での一番すごいコーラは、

会社の先輩からもらったコーラです。

 

それは、年末。年の瀬も年の瀬のころにいただきました。

普段お茶やコーヒーばかりで、ジュースを飲んでいるイメージのない先輩でした。

 

もうそろそろ退勤時間になるかな、というころに

「ジュースあげようと思ってたんだ」

そう言って唐突にカバンからコカコーラを取り出して、

私に差し出しました。

 

突然の近所のおばあちゃんのような行動に

どうしたんですか と私がいうと

 

「こないだのクリスマス、

娘が サンタさんへ ってツリーの下に置いてったんだ。」

 

というのです。

「俺食事制限してて飲めないからさ、よかったら飲んで。」

というのです。

これはすごいコーラだ。

 

果たして私に飲めるでしょうか。

 

あったこともない女の子が、サンタさんへ贈ったコーラ。

 

飲めませんね。

 

尊すぎます。

 

尊すぎて受け取れませんが、尊すぎて拒否できません。

 

そんなすごいコーラ、私が飲んでいいんですか。

 

「いいのいいの、俺は飲めないんだから」

 

そんなやりとりをしつこく繰り返し、

 

尊すぎるコーラを、

なるべくべったり触らないように、指先だけで受け取りました。

 

普段パパは、コーラなんか飲まないのに、

サンタさんへ向けてコーラを送っているのが、また尊いですよね。

 

コーラをいただいた私。

尊すぎる、すごいコーラを受け取っちゃった私。

 

一万歩譲って、自分の知らないうちに、サンタさんへは届くはずだったコーラが大好きなパパの元へ届くのは良い。

 

百万歩譲って、自分の知らないうちに、サンタさんの元へ届くはずだったコーラが大好きなパパの職場へ来ちゃったのも良い。

 

だが、何億歩譲っても自分の知らないうちに、サンタさんの元へ届くはずだったコーラが、見ず知らずの人の散らかった社宅へ持ち帰られるのだけは、無い。

 

せめてもの礼儀(自分の気休め)として、職場の休憩室でいただきました。

 

私が飲んじゃってごめんね。

大人になったら、サンタさんへコーラを贈ったことも、

もしかしたら忘れちゃうかもしれないけれど。

確かにすごいコーラでした。

 

本当にありがとうございました…。

 

 

・・・

 

もちろん、

飲んだところで普通のコーラでしたが、

それから私はコーラをよく買うようになりました。

©️2020 happa spread